毎回文章が長くなり、内田さんからねぎらいとご心配のお言葉をかけていただきました。(嬉しかったです)
がんばっても週一ペースでいくつもりでしたが、前回のサークルで五十嵐さんと大栗さんと私の三人で「梅の香り」をやったときに、たまたま左手の「中位弾き(ちゅういびき)」がありましたので、参考までに投稿します。
これは、私も三線初心者の頃に教えてもらって「そーいうことか!」と気づきがあったことですから、すでに当たり前のように使っていらっしゃる方は読み飛ばしてください。
初めて三線を習ったときには、左手で弦を押さえる指は、乙=人差し指、老=中指、上=人差し指、中=中指、尺=小指、五=人差し指、六=中指、七=小指と教えてもらいます。
たまに「八」が出てくると、小指でも届かないので普段構えている左手の位置を胴側に5~6cmほど移動させて弾くことになります。
「中位」での弾き方は、中=人差し指、尺=中指、六=人差し指、七=中指、八=小指となります。
「えーっ!せっかく使う指と音を覚えたのに、これじゃあ混乱してしまう!」と初心者の頃の私も思ったものでした。
教本には「この曲は中位で弾きなさい」とは書いてありませんし、「必ず中位で弾かなければならない」ということはありません。
一般的には今回のように三線の先輩が「この曲(この部分)は中位で弾いたほうが弾きやすいよ」って教える感じです。
では、何故そうするか?
答えは「器用な人差し指を使わないのがもったいない」(笑)からです。
紙も鉛筆も使わないでテーブルに文字を書くとしたら人差し指と小指のどちらを使うかといえば普通は器用な人差し指を使いますよね?
同じように、小指より薬指、薬指より中指、中指より人差し指のほうが器用に使えるという方がほとんどだと思います。
大栗さんには「遊び(あしび)ションガネー節」の練習をお勧めしましたが、この曲には普段人差し指を使う「乙」、「上」、「五」が一切出てきません。
つまり、曲の最初から最後まで「左手中位」のまま弾ける曲ですから練習にはもってこいなんですね。
一般的には「梅の香り」のように、曲の途中で「中位」に変えたり戻したりということが多いのですが、難しそうに思えても慣れたら意外と簡単に出来るようになります。
早弾きの曲で「中」「尺」「六」「七」「八」が頻繁に出てくる曲にいたっては、中指と小指を高速で動かすのは至難の業です。
自分で弾きたい曲を見つけて教本を見ながら練習するときに「なんか弾きにくいなぁ・・」と思ったら「左手中位」で弾くことを疑ってみてください。
また、必ずということではないですが、中位で弾く曲の場合「尺」を押さえる人差し指は普段よりやや低め(「中」寄りを押さえる)の音を出すことが多いようです。
ちなみに、三線を弾くときには「薬指は使わない」というのも間違いです。
古典音楽をやったことのある方は分かると思いますが、微妙な位置を押さえる必要がある曲では人間国宝の大先生でも「薬指を使ったらいいさ~!」とあっさり教えてくれました。(笑)