No.1では、唄三線と三線との出会いについて書きましたが、今回は「美ら唄倶楽部」に感謝も込めて、サークルとの出会いについて少しだけ触れたいと思います。

 2015年4月、熊本支店勤務から本社に異動することになり、正直、東京での生活は不安でいっぱいでした。
 沖縄以外は九州から出たことのない田舎者にとっての東京は、あまりにも大都会。通勤ひとつとっても身動きできないほどの通勤ラッシュ。仕事の方も忙しいけど何やってるか分からないほどめまぐるしい日々を過ごしていました。
 休日に外出しても人・人・人・・・
「こりゃ、ストレスにやられちゃうなぁ・・」と感じ始めた頃、ふと眺めていた三線関連のHPに「三線サークル」のことが載っていました。
「そうだ!三線の教室は仕事柄毎月キチンと通うことが出来ないし、授業料も高いから、趣味のサークルだったら良いかもしれない」と思って、
Googleで検索したところ、
「あらら、やっぱり東京はたくさんあり過ぎて迷うなぁ・・・」
「とりあえず、会費が安くて・・・」
「とりあえず、職場の近くで・・・」
「おっ、体験、見学参加募集中・・・良いんじゃね?」
おそらく、みなさんもこんな感じではなかったでしょうか?
 でも、美ら唄倶楽部と出会えたこと、多くの人と出会えたことは私の人生にとって大きな財産になっています。

 あるとき、和光さんに「美ら唄はとても居心地が良い」という話をしたことがありますが、和光さんは「ここは場所的に仕事が終わってストレス発散に来る人が多いから、三線でもストレスが溜まるようなサークルにはしたくない」とおっしゃっていました。
 おかげさまで毎回楽しく参加させていただいております。

 前回の自己紹介で、「琉球古典音楽・安富流新人賞受賞」と書きました。受験前の数ヶ月間は、その流派に属する正式な三線教室に通っていたのですが、実は私、その三線教室がイヤになって途中で辞めてしまったのですよ。
 だって、「好きになりかけた三線を、もう少し本格的に習ってみたい」というのが教室通いの目的だったのに、「この教室から試験の合格者を何人出す」とか、「会員を増やして流派に貢献をする」みたいな雰囲気がアリアリで・・・
(全ての三線教室の先生がそうだとは言い切れませんが)
「三線に不要な飾りは付けちゃダメ」とか「勘所シールは全てはがしなさい」(これは後で知ったけど古典で試験を受けるときの常識)とか、先生と対面で練習するときには必ず正座で」(これも常識)とか・・・
 とにかく、教室に通うことが楽しくなくなってきたのです。

 それでも、いつかは古典音楽の新人賞だけは何とか取りたいと思っていましたので、受験までは苦痛の日々でした。
 でも、振り返ると、このときの経験もその後の三線LIFEに良い影響を与えていますし、本格的な教室で学んだことも良かったとも思っています。(どっちやねん!)

 新人さんや経験の浅いメンバーさんのフォローで始めた「みみぐすい」ですが、なかなか技術ネタが出てこないとお叱りを受けそうなので、少しだけ練習のヒントを紹介します。
 カタチにこだわるのがキライな私が「あえて基本姿勢」を書くのは自分への反省も込めてのことですから、あしからず・・・。

 まず、自宅で練習するときでも演奏するときの基本姿勢は時々チェックしましょう。特に、独学でやっているとクセになってしまって、なかなか直せません。(これが私の反省点で今でも苦労しています)
 「自分は弾きたいように弾くだけ、別に格好なんて関係ないや」と思っていたとしても、正確な音を出したり、発声には大きく影響しますので、やはり基本は大切です。

(1)身体は背すじを伸ばして、顔はできるだけ正面を向きます。

・・・とはいっても、練習するときにはどうしても弦を押さえる指の位置(勘所※かんどころ)や譜面を見てしまうので、猫背になったり、顔が下を向きっぱなしになりがちです。ですから、ときどき姿勢を正すという程度で心がけてください。
 特に、腹式呼吸で唄う場合は、お腹いっぱいに息を吸い込んで少しづつ息を吐きながら唄いますので、喉からお腹がまっすぐで、顔が正面を向いていないと出来ません。
 また、弦を見るために目線を下に落すと、同時に三線の胴が斜め上を向いてしまうケースが多いですが、そのようにして弾いているとバチの空振りや雑音の入る原因にもなります。
 最近の練習で、田端さんが「テーブル用の譜面たて」を使ったり、岡戸さんや大栗さんらがタブレット端末の画面を立てて譜面を見ておられますが、顔を出来るだけ正面に向けて演奏するためには、とても良い方法だと思います。

(2)三線は、胴を自分の身体から拳ひとつ分ほど離して構えます。

 三線の胴の部分を自分のお腹あたりにペタッとくっつけて弾いていませんか?
 右手首の角度が深くなったり浅くなったりすると手首のストロークが使いづらいうえに、自分の身体が消音材になって音の響きも悪くなります。
 特に、「情け唄」や古典などスローテンポの曲をやるときには「テーーーン!」という弦の響きが聴かせどころです。

(3)右利きで三線の棹を左にして構える場合、三線の胴は右足太ももの中心から少し右側側面と右手の二の腕で挟み込むようにして固定します。
(左利きで棹を右に傾けて弾いている人を見たことないけど・・)
左手を棹から離しても(4)の角度が保たれればGOODです。

(4)棹の先端は左肩と同じくらいの高さで構える(正面から見ると斜め45度くらい)

 初めて三線を持った方は、ギターを弾くときのように棹をほぼ真横に寝かせて構えがちですが、これも雑音が入りやすい要素です。
 このクセは私にもあって、知らず知らずのうちに棹が寝てしまいます。
 ただし、「立ち弾き」の場合は斜め45度なんて不可能ですから、この限りではありません。

(5)左手は、人差し指の付け根を棹と天のつなぎ目である乳袋にあて、親指の腹は、乳袋の裏側付近にあてておきます。
※ 「天」(てん)、「乳袋」(ちちぶくろ)など三線の部位については、教本やネット等で確認して下さい。

 特に、古典を習ったことのある人は、左手の指全体を「小さく前にならえ」の形にして指先をピシッ!と伸ばしています。
 これは、古典音楽のような超スローペースで演奏する曲の場合、譜面にある「○」(一拍休みの表示)が、3つも4つも並んでいる場合があり、ひとつの弦を弾いて次の弦を弾くまでの間、数秒間待つことになりますが、その間の正確なリズムをとるために「手ごと」(全流派共通用語なのかは不明)という両手を使った「独特の動き」をするためのものです。

 いかがでしたか?基本姿勢を文章で表現するのは難しいですが、キレイな姿勢は上達も早く、なにより格好が良いですね。
美ら唄倶楽部サークル会場
東京都中央区銀座1-20-14
銀座NKビル10階
(公社)全日本不動産協会中央支部内
 交通アクセス
都営浅草線「宝町」駅 徒歩3分
都営浅草線「東銀座」駅 徒歩4分
銀座線「京橋」駅 徒歩6分
有楽町線「銀座一丁目」駅 徒歩6分

 運営形態
参加者による会費で運営
 サークル・イベント等
定例サークルの開催
合同歌会「銀座歌会」の主催
沖縄民謡コンクールへの参加
新年会・忘年会・暑気払い会
沖縄県人会主催イベントへの参加
 
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